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ベルトの歴史
●非常に古くから存在●
ベルトの歴史は案外古く、新石器時代の巨石にベルトをしている人間の姿が描かれています。考えてみると、道具を持たない時代には獲物や木の実などを持ち帰ろうとしたら引きずるか担ぐか身につけるかです。身体に木のつるか何かを巻きつけて運搬したら楽だった…そんなことから身体に紐を巻くという行為を覚えたのかもしれませんね。現代でもアマゾン奥地に暮らす裸族の人々が腰に紐を巻いている様子がリポート画像に写し出されたりしています。裸に腰紐のみの姿を見ると、ベルトは下着よりも歴史の古いアイテムと言えるでしょう。着衣にベルトという形になったのはいつ頃のことでしょうか。
“顔は横顔、体は正面”という、あの古代エジプトの壁画の人たちの着衣にはもうベルトが描かれています。ベルトは古代エジプト時代には衣服には不可欠なものになり、道具としての用いられ方から“装身具〜アクセサリー〜”としてのベルトへと進化していきました。
日本は古来より着物の文化なので、洋服を着るようになるまでベルトは一般には馴染みのないものでした。日本でのベルトの歴史はまだまだ浅いものと言えます。
●サッシュベルトは地位の象徴●
洋服文化の西洋では、早くからベルトが装飾品や地位の象徴として使われるようになり、柔らかい素材で作った細い紐状の帯を服に巻きつけたり結んだりするようになりました。これがサッシュベルトのはじまりです。
17世紀になると戦争で部隊を識別するためにベルトが使われるようになります。当時のサッシュは腰ではなく、肩から斜めにかけ、部隊の識別の他に階級を示したり勲章や装飾品をつけたりするためにも用いられました。やがてこれがガウンの帯となり結ぶようになります。貴族の肖像画を思い出してみてください。かのフランス革命で活躍したナポレオンや男性貴族の肖像画には柔らかい布地で作られた幅の広いサッシュを、肩や腰につけているところが描かれています。18世紀末になって女性もサッシュを飾りベルトとして腰に付け始めました。現代のタキシードに使うカマーバンド(Cummerbund)はサッシュの名残りです。カマーバンドは19世紀末にウェストコート(現代でのスリーピースのベストのことです)の代用品として用いられるようになったもので、インド・中近東・東欧の民族衣装に見られる飾り帯が発祥だといわれています。タキシード着用時に用いられ、正式なものは黒で伝統的にはベルトではなく、サスペンダーを使います。
●装身具としてのベルト●
14、15世紀くらいになると貴金属や宝石を飾った幅広のベルトが登場します。これが元祖ジュエリーベルトということになるでしょうか。現代では真の王座を勝ち取った者にだけに与えられるチャンピオンベルトがその代表といえます。そして16世紀になって金の鎖のような細いベルトが登場し、ズボンがズリ落ちないように止めるという本来の目的はますます二の次になり、高級志向の装身具として扱われるようになっていきます。